TMtown TOPへ 自称日本一の更新頻度「東京ユビキタス放浪記」

近所のセブンイレブンの制服が、変わっていました。
緑を基調に、赤とオレンジみたいなのが、赤を基調に、ピンクが入っていたような…。
「どうして変えたんだろ…?」と思って、セブンのサイトを見たけど、理由はどこにもなかった。
どうしてなんだろ。
それとも、私の見間違い?
政治の体制は、この前の選挙では大きく変わることはなかったけれど、世の中、色々なことを変えたくて、ウズウズしている人はたくさんいます。
例えば、「上司が代わった時」。
前任の上司の「カラー」が、気になる後任は、そのカラーを払拭するために、色々な決めごとを作ったり、廃止したりするでしょう。
外資系企業などは、これがもっと覿面に変えてしまうみたいですけどね。
もっとも、アチラは、ホワイトハウスでも、大統領が代われば、総取っかえになるらしいから、そういうのに慣れているのかしらん。
我々日本人には、ちょっとしたレイ変をするにしても、大仰に騒ぐヤツがいますもんねぇ…。
やれ「仕事が忙しい」だの、「どういう意味があるんだ」だのとね。
ちなみに私は、レイ変大好き人間です。
自民党の政治に飽き飽きなのも、ひょっとして、この辺の「レイ変好き」が影響しているのかも。
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ところで、マーケティングの世界で、プロダクトをリニューアルするのは、よくあること。
ネーミングやパッケージを変えるとか。
そして、その大半は失敗に終わります。
なぜなのでしょう?
これは、そもそも商品のコンセプトが、ターゲットに受け入れられないから。
売れてもいないのに、コンセプトを大きく変えたわけでもなく、そんなリニューアルで売れるはずがありません。
世の中の「新製品」の多くは、この手のリニューアル品です。
例えば、これ。
いつぞや本コラムで、CMを取り上げた「サントリー楽膳」に、新商品「美味楽膳」が出ました(コラムNo.148)。
今年の、発泡酒新製品では、アサヒの本生アクアブルーが断トツにうれているそうです。
日経トレンディのランキングにも出るくらいですから、本物なのでしょう。
発売当初、CMに問題があって、「こりゃダメだな…」と思ったら、意外や意外、健闘したようです。
先日も、予測出荷数の上方修正と、アクアブルーを作る工場を増やす記事が出ていました。
そんな状況下、この「美味楽膳」、売れると思いますか?
最初に発売した「楽膳」は、「おなかにたまらない」をコンセプトとしていました。
今回の新製品は、ホップポリフェノールを増やして、「喉ごしスッキリ、飲みごたえアップ」というもの。
いつかどこかで聞いたような、コンセプトですな。
そもそも、「おなかにたまらない」というコンセプトが、ターゲットに受容されなかったのに、それをいまだ引きずっている。
リニューアルの難しさが漂っていますね。
売れていない製品をリニューアルするとしても、すべてをガラッと変えるわけにもいかない。
それじゃ「新製品開発」です(爆)。
だから、どうしても重箱の隅をつつくようなコンセプトチェンジになってしまう。
元々、この「楽膳」が開発された理由は、「ビール(や発泡酒)は、おなかにたまるからイヤだ」というユーザーの声を吸い上げて、開発されたものなのではないでしょうか。
で、その阻害要因を排除した「画期的な新製品」なのに、売れない。
この理由は簡単です。
要は、ビール(発泡酒)党にとって、「おなかにたまること」は、「ちょっとイヤなこと」だけれども、それによって、酒量を減らしてしまうほどの要因ではない。
ビールのジョッキを5杯も、10杯も飲めるような人ならば、おなかがふくれることなんて、今さら気にしないはずでしょう?
おなかがふくれるのが、「ちょっとイヤな人」は、ジョッキを2杯も飲めば、「次のお酒へ進む」ということです。
ウーロン杯や、焼酎、日本酒にね。
この辺を読み違えているはずです、サントリーは。
「美味楽膳」、ちょっと厳しいのではないでしょうか。
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私も、まもなく四十路。
世の政治家サンたちは、80歳を過ぎても、「生涯現役」と張り切っていらっしゃいますが、私としては、いますぐ「リタイア」できるのならしたいです(本当)。
いわゆる「巨泉的生き方」なんて、物凄く憧れてしまいますね。
もっとも、肝心の本人が、政治のドロドロに負けて、すっかり威光がなくなってしまったみたいだけど。
そんなこともあって、最近「シニア雑誌」を、やたらと読みたくなるんですな。
この手の雑誌の元祖は、小学館の「サライ」でよいのでしょうか。
ただ、最近は、この「おいしい市場」に、各社が参入してきて、かな〜り乱立気味。
「オブラ」「日経マスターズ」など、色々あります。
そんな中、ある日、本屋でふと目に留まったのが、この雑誌。
立風書房という出版社が出した「天上大風」という雑誌です。
手に取ってみると、「古い民家に住む」とか、「温泉」の情報もある。
有名人のエッセイもあったりして、結構面白そうなので、買ってみました。
内容は、シニア向けというよりも、「30代以上で、ちょっと厭世的な人」が読みそうな感じ。
特に、6月号にあった「昭和の台所道具で作る 昔ながらの朝ごはん」なんて企画は、私の心に、かな〜りグサグサきました。
で、定期的に買っていたんですけど、10月号を買ってみたら、最終ページがこんな風になっていました。
厳しいですね。
「さらに内容を充実させた誌面でお届けするために…」とありますが、これは常套句。
だいたい、「充実させた誌面『で』」じゃなくて、「誌面『を』」じゃねぇのとツッコミたくなるような文章。
せっかくいい雑誌だと思っていたのに、廃刊かな…と思っていたら、ちゃんと復活してくれました。
こうして並べてみると、かなりシンプルで、美しいデザインになりました。
かつては、創刊号の表紙が、椎名誠で、その後、小林薫や竹中直人、樋口可南子まで、著名人を登場させていましたからね。
発行も、毎月発行から、年4回刊となった。
しかも、コンセプトは、いままでは「自然体の生き方、暮らし方」だったのが、「50代からの生き方、暮らし方」となった。
これで、すべてが分かりますね。
要は、ターゲットの絞り込みが甘かった、と。
私のような、厭世的な人間は無視して、「50代以上」「リタイア(希望)者向け」ということを明確にしたリニューアルなのです。
中身も、表紙にあるとおり「定年後」の生活を24人取り上げていて、なるほど50代以上向け。
個人的には、池波正太郎が愛したという「小鍋立て」というのに、猛烈に反応してしまい、マンション暮らしと「長火鉢」を、どう両立させるかということで、アタマがいっぱいいっぱいになっております。
いや、長火鉢が無理なら、小型のグリル鍋を事務所で買って、昼間から、ちょいと一杯…(マジバカだね)。
以前よりも、ケーススタディを増やした代わりに、著名人のエッセイは、ほとんど無くなりました。
イメージとしては、普通のリタイア雑誌に、「dancyu」をプラスしたような感じでしょうか。
シニアというと、どうしてもマイナスの話は避けられない。
それを取り上げないと、嘘っぱちな雑誌になってしまう。
いかに、「その手の話」を「プラス志向」に持っていくかが思案のしどころなのでしょう。
この出版社、立風書房は、学研の子会社。
「ル・ボラン」というカー雑誌なら、ご存じの方も多いでしょう。
25年前に、いち早く、ヨーロッパ車を中心とした雑誌を作ったのは慧眼です。
そのセンスを、シニアにも持ち込んだ感じですね。
さてこの「天上大風」、大丈夫でしょうか?
やっぱり厳しいと思いますね。
おそらく相当な予算の削減もあったのでしょう。
制作スタッフを見ると、編集長がいなくなって、副編集長が昇格していて、総勢7名いた編集部が4名になっています。
あとは、外部スタッフ。
タレントの表紙を止めたのも、予算に理由があったはず。
ただ、タレントの「顔」は、それだけで人に訴えるパワーを持っています。
今の表紙には、それがありません
個人的には好きですが、これでは、他の似たような雑誌を駆逐するほどパワーがあるとは思えない。
残念ながら、来年の夏頃までに、フェードアウトしてしまう気がします。
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さて、「変える」ことの難しさ、最後に、日本で最も有名なケースの一つで、かつ現在進行形なものを取り上げます。
それは、こちら。
キリンビールの「キリンクラシックラガー」です。
ようやく「缶」を発売したので、今CMでも、さかんに高倉健が飲んでますね。
このラガークラシック、元はといえば、キリンがスーパードライの猛威にあわてふためいて、96年にラガーを「生」だと無謀な論を言い張ったところに、端を発しています。
ちょうど、自社の「一番搾り」とのカニバリも厳しく、ラガーの出荷数は年々下がっていった時期です。
スーパードライが着々と数字を伸ばして、しかもCMで「生ビール売上NO.1」と、しつこいくらいにやったものだから、ガマンできなかったのでしょう。
(ラガーは、当時、一般には「生ビール」と分類されていなかった)
ところが、キリンは、これに対して、「ラガーとは、熟成させることを意味する。だから麦芽をそのまま使うラガーも『生ビール』であります」とやってしまった。
厳密に言えば、そうなのかも知れないけれど、ビールファンには到底納得できないような理由です。
味覚も、スーパードライにどんどん似せてしまい、「ビールといえばキリン」という象徴を支えてきたラガーは、その地位を自らの手で失った。
そのラガーを、キリンも、あの手この手で再生しようとしたけど、いずれもうまくいかない。
ということで、結局、元の味に戻した。
ただし、「クラシック」という名を付けて。
こうも完璧に、「コカコーラ」が歩んだ道を、追従してしまったケースも珍しいといえば、珍しいです。
キリンのマーケティング担当者であれば、知らないはずがない「コカコーラ事件」。
凋落した道が同じなら、戻し方もまた同じ。
ただ違うのは、コカコーラがシェア80%といわれる高いシェアを背景としていたのに対して、ラガーのシェアは20%にいくかいかないか。
だからこそ、「高倉健」というCM界の最終兵器を用いているのでしょう。
プロダクト本来のパワーは、すでにない。
だから、タレントパワーに頼るしかない。
健さんを起用した理由は、これにつきます。
自分たちの方から、「さようなら」を言っておきながら、今さらのように「帰ってきた」と言わざるを得ない、キリンの戦略の誤謬。
このような商品が、これからトップシェアまでたどり着くのは、過去に例がないはず。
いつまでも、ラガーという聖火が消えないように、いつまでも、このブランドを守り続けるのか。
それとも、大リストラを敢行して、現有勢力で戦うと決断する日が来るのか。
キリンは、どうするのでしょうか?
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変えることは難しい。
著名ブランドであれば、お客様だけでなく、社内の声も聞かなくてはならない。
そのノイズに耐えて、変えずにいることが難しい。
ユーザーは、メーカーが思っているほど、その商品に飽きているわけではない。
そこに注意しなくてはいけない。
安易なリニューアルは、ユーザーがせっかく固定してくれた視座を、自ら揺り動かしてしまうだけ。
「変わること」に慣れていない日本人を相手に商売をするのだから、なおさらなのか。
変えることは、本当に難しい。