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No.158

気になるCM秋(2)
2003.10.7
by Y.Tomizawa

JTの缶コーヒー「ルーツ」は、いったい何種類のCMを作ったんでしょう?
タレント3人×4パターンはありそうな感じ。
メチャメチャお金をかけてますな。
それだけ勝負を賭けているんでしょう。
今秋のコーヒー戦争も激烈です。

ということで、先週に続き、CM特集です。



1.キャラクターの可愛さとは


英会話教室「NOVA」のCMが、また新しいバージョンになりました。

「放浪記」の方にも書いたんですけど、私、この手の「不条理系」がスキなんですよね…。
「少女漫画」と「ギャグ」の合体という感じが。

ところで、CMの最後にも出てきますけど、この「NOVAうさぎ」がすっかりキャラクターとして成長しています。
街のキャラクターショップでも、たまに見かけるようになりました。
でも、このストーリーボードでも最後に出てきますけど、NOVAうさぎは「ぬいぐるみ」にすると、可愛くないんですよね…。

アニメーションでは、可愛いと思います。
なのに「立体化」してしまうと可愛くない。
中に入っている素材が、どうせ「綿」でしょうから、形状に限界があるのかな。

アニメーションや漫画のような「二次元」では人気があるのに、「三次元」に失敗した例は結構あります。
その最たるものは、サンリオのキティちゃんかも。
例えば、コレ

何というか、たしかに「顔」はキティちゃんなんだけど、「ちょっと違う…」と誰もが思いますよね。
サンリオピューロランドが出来たとき、ミュージカルか何かを踊るキティちゃんたちを見て、結構ひきましたもの。

「着ぐるみ」の限界でしょうか。
二次元では、2等身くらいなのに、いきなり4等身になられても…。
本物の人間だったら、4等身でも十分可愛いと思えるのに、どうしてアニメの世界のキャラが4等身では可愛くないんだろう…。

「二次元」では可愛くないと思っていたけど、「三次元」にしたら、意外と可愛いと思ってしまったものもあります。
それは、「ゲーム系キャラ」。
例えば「ピポザル」。
それに「トロ」。

下にあるサイトの「ピポザル」って、「実物」の方が可愛いと思いませんか?
http://www.playstation.jp/land/spesal/piposal_report.html

ピポザルもゲームの中だと、結構「頭」が小さい。
ゲームの中では、4等身くらいか。

トロもゲームの中では、3等身くらいの感じでビミョー。

でも「着ぐるみ」になると、2.5等身くらいになって、可愛くなる。
ほんのわずかな違いだと思うんですけど、「着ぐるみ」の方が可愛く思えます。

どうして「ゲームキャラ」でこういうことが起きるのでしょう?
ゲームの中での動きに、実物の人間を使っているからなのかな…。
うーん、よく分かりません。
不思議です。

考えてみると、キャラクターで「二次元←→三次元」のどちらも「可愛い」と思えるものは、意外と少ない気がします。

でも、その中で、完璧と思えるのが、やはりディズニー。
ミッキーマウスもドナルドも、プーさんだって、みんな「ほぼ同じ可愛さ」と思えます。
この辺が、彼らの戦略の奥深さなのでしょう。



2.謙虚なCM


ようやく苦しみを脱しつつあるかに見えるユニクロ。
今年売りたい商品は「カシミア」らしいです。

フリースを、あれだけ売りまくって、さすがにもう今年は売れるはずがない。
この秋冬商戦で、カシミアが売れてくれないと困るんでしょうね。
でも、このCM、最後のテロップに気が付きましたか?

「できる限りの低価格でお届けします」

とあります。

これまでだったら、最安値を競うのが当たり前だったのが、「出来る限りの…」と注釈を加えた。
これ、重大な戦略転換です。
もうユニクロ(ファーストリテイリング)として、疲弊するだけの低価格戦争はしませんということです。

異常なまでの低価格で、商品・サービスを提供できれば、消費者としては、それは嬉しい。
でも、その陰には、絶対に弊害があります。
それに泣かされているのが、従業員なのか、出入りの業者なのか、いずれにしろ、全員がニコニコ笑顔の史上最低価格なんてことは、おそらくありえません。
「乾いた雑巾」を、さらに絞ることが当たり前になってしまった今、強者のみが甘い果実を享受できる。

しかし、それではいけない。
ユニクロも、ようやくそれに気付いたのでしょう。
人を幸せにするはずのファッションが、人の不幸の元に成り立つのはおかしいと。

努力するのは、ビジネス社会ならずとも当たり前のことですけど、人を不幸にすることは努力とは言わないでしょう。
それは「暴力」と言います。

ユニクロの微妙な姿勢の変化が、今後の復活をもたらすのか。
期待したいです。

でも、その前に、品揃えをしっかりしてね。
私の体型に合うのって、いっつも品切ればかりだから。



3.どう思う、マックの世界CM


このCMは、どうなんでしょう?

私は最初、「ナイキ」か、「アディダス」のCMだと思いました。
でも違った。
途中で、「M」のマークが出てきますし。
そう、マクドナルドの「世界共通CM」です。

「i'm lovin' it」というテーマのもと、世界100カ国以上でこのCMが流れるというのだから、さすが世界企業。
(なぜ「i」が小文字なのか…?)
ただ、「真の世界NO.1ブランドを目指す」とありますが、それが世界共通CMで作ることができるのでしょうか。

特に、現在の日本におけるマックの地位は、非常に危うい。
自ら仕掛けたデフレ戦争から、結果的に自縄自縛に陥り、経営戦略的にも、外食産業的にも、イメージの低下が著しい。
その日本で、こんなCMを流されても、元マックユーザーは、また店舗に戻るのでしょうか?

もちろんCMのコンセプトからして、即「店舗へどうぞ」というものではない。
このCMは、マクドナルドの企業イメージを長期的に上げるためのもののはず。
でも、今の日本のマックは、そんな悠長なことやってられないでしょう。

幸か不幸か、株式を上場してしまった今、目先の利益の追求も避けられない。
株価を見てみても、最悪期は脱したようですけど、まだ迷走気味の感も否めない。
「長期的経営戦略」は、目先の利益を少なからず奪うものですから、その体力がどこまで持つか。

もちろん、今のマックが、一朝一夕にどうなるということではありませんが、「さぬきうどん」も当たり前になりつつある日本で、外食産業内での相対的イメージの低下はジワジワ利いてきて、ある日突然ドスンときます。

個人的には、当分低迷が続くことは避けられないと思っています。
そして、今のマックのイメージは、このようなCMでは回復しない。
このパターンのCMを10年続けることができれば、回復もするでしょう。
ただ、日本のマクドナルドにその余裕があり続けるかが疑問です。

新価格戦略のCMでも大失敗して、新商品も今ひとつパッとしない。
藤田田無き後のマクドナルドは、まだまだ苦労しそうな気がします。



4.いつまで続くアリコのCM


マクドナルドが、本当に「新しいイメージ」を消費者に植え付けたいのなら、もっと投入量を増やすべき。
その点、「このくらいやらなきゃ」と思えるほどのGRPが「アリコ」のCM。

もう、朝から晩まで、のべつまくなし流れている印象があります。
今までの保険業界のCMといえば、イメージCMが中心だったところへ、これでもかというくらいの「プレゼンテーション型CM」。
おかげで、城ヶ崎祐子さんの顔が、すっかりメモリーされてしまいました。(--;)

今年の広告費ランクで、アリコは急浮上しているらしいですが、いったいどのくらいの量を投入したのでしょう。
しかも1本が最低でも30秒のはずだから、視聴者の「視聴時間」は相当なものになるはず。
そういえば、この前、日刊スポーツに出ていた「CM放映長時間タレント」で、並み居るタレントを押さえて、「城ヶ崎祐子さん」が上位にランクされていました。

複雑なはずの保険契約を、ポイントを絞って訴求する点はいいと思いますが、ここまで露出が多いと、「またかよ…」と思ってしまうことも事実。
特に、今、生命保険に入ろうと思っていない人には、迷惑に映るだけ。
これで、実際のアリコの新規契約数が伸びればいいのですが、その辺はどうなのでしょう?
ここまでは記事を見かけませんが…。

ひょっとして、大金をかけて、大量の広告を投下すればいいというものではないという、いい証明になるかも知れません。



5.やっぱりスマップ頼みなのか…


シャープの液晶テレビ「アクオス」に、香取慎吾を起用したバージョンが追加されました。

吉永小百合のCMは、これまで通り流れていますから、プラスアルファで別なターゲットに訴求しようとしたのでしょう。

この秋以降、地上波デジタル放送の開始とともに、「薄型テレビ」の市場が、今以上に激戦になることは明白。
「液晶といえばシャープ」なのだから、シャープとしても先手を打っておきたいところだったのでしょう。

でも、このCM、ちょっと作りが陳腐ですよね。
ブラウン管のシンゴと、液晶のシンゴが語り合っていて、ブラウン管が「もう古いんだね」というのは分かる。
それを、こんな風にしか表現できなかったのでしょうか…。
せっかく吉永小百合で、他社がマネしようにもできない高品質イメージを出しているのに、もったいない気がします。

CMは、イヤでも万人に流れてしまうもの。
2つのパターンを、上手に使いこなせば、その効果は3倍にも、4倍にもなるのでしょうけど、この「シンゴパターン」では、せっかくの「小百合パターン」と打ち消しあってしまうのではないでしょうか。

香取慎吾も、木村拓哉ほどじゃないだろうけど、ギャラもバカにならないはず。
せっかく「激ヤセ」して、精悍なイメージに戻ったんだから、シャープももっと真面目路線のCMを用意してあげればよかったのに…。
今の彼のイメージとも、ズレてますね。

というより、やっぱりスマップしかいないんですかね…。
キムタクが富士通に出続けて、中居クンはスカパーやらに出てる。
残りのメンバーで、「液晶」に向いている人といえば、消去法で香取慎吾となるのは分かる。
他にいないのかな、日本に若手男性タレントは。

まあ、吉永小百合と釣り合わなければいけないとなれば、やっぱり「スマップ」となるのでしょう。
坂口憲二じゃ、まだ役不足ですもんね。
ジャニーズ王国というより、スマップ王国はまだまだ安泰。
でも、さすがに見る方は、少々飽きを感じる秋の日々です(爆)。