TMtown TOPへ  自称日本一の更新頻度「東京ユビキタス放浪記」



No.156

この秋に思ふ
2003.9.16
by Y.Tomizawa

「ついに」というより、ファン以外にとっては、「まだ優勝してなかったの?」というくらいの感じの阪神優勝。
フジテレビが、道頓堀への飛び込みを、やたらと「よくないこと」と表現していたのは、「ワンナイ」での失敗で、「羮に懲りて膾を吹く」になっちゃったから?
これを機会に、他のマスコミも無責任な煽りは止めればよかったのに。

これで日本シリーズが、ダイエー相手となるのか、西武相手となるのか分かりませんけど、個人的に危惧しているのが「ラグビーワールドカップ」の行く末。
そう、実は来月10日から、ラグビーW杯が、オーストラリアで始まるんですけど、この扱いが、ますます悪くなりそうです。

昭和初期、すでに六大学野球と並ぶ人気スポーツだったラグビー。
私の知る限りでは、昭和5〜6年頃、3万人以上の観客を集めていたはずです。
その後、幾多のブームを経て、今や超危機的状況。
今回参加するW杯で、またも惨敗を繰り返すようであれば、あと10年以上、さらにひどい低迷が続くと思っています。

野球は、野茂、イチロー、松井のMLB効果にプラス、阪神効果も加わってしまった。
いくら世界スポーツでないといっても、やっぱり野球は人気がある。
オリンピックや世界選手権でメダルが取れなくても、MLBという新たな目標ができた今、野球人気が今以上に下がることも考えにくい。
プロ野球人気は、阪神ブームが終われば、下がる一方でしょうが。

サッカーは、何だかんだでドイツ大会を目指すという、一直線の方向性がある。
W杯の成功によって、日本代表という注目ポイントができたことが安心材料です。

翻って、ラグビーは…。
社会人リーグの名前を変えて、「トップリーグ」が始まりましたけど、見ていてイマイチでしたなぁ…。
オープニングの演出も、サッカーの換骨奪胎という程度。
子供を使ったりというところがね。

どうせなら、Jリーグ開幕と同じように、せめて「ナイター」にすべきだったのでは。
残暑厳しい中、見ていて暑苦しかったです。
認知度も、試合の内容も、調査をしたら悲惨な結果がはじき出されるのでは?
担当した広告代理店は、どこなのでしょう…?

だからこそ、日本代表チームが「世界」に伍していかなくてはならない。
ただ、その代表チームは、過去のW杯では、わずかに1勝どまり。
それもたいして強くもないジンバブエに勝っただけ。
(思えば、自分がスカパーに加入したのは、前回大会をどうしても見たかったからだった)

今回のチームは、以前の外面の人気だけのチームと違い、「今度こそ…」と密かに思っていたんですけど、今年に入ってからの試合を見ると、無惨な結果ばかり。
今回の大会で、仮に負けるにしても、「負け方」が問題です。
強豪国相手に、「善戦以上の結果」を残さない限りマズい。

過去、日本にとって、世界をあっと言わせた試合は、いくつかあった。
68年のニュージーランドジュニア戦、82年のウェールズ戦、世界のスポーツマスコミに衝撃を与えた試合をしたことはある。
それと同じくらいのレベルの試合をしないと、日本のラグビーの悪循環を止めることはできない。
そんな意味からも、日本ラグビーの今後10年を占う、重要な大会です。

ただ、そのW杯を、サポーティングしているマスコミが、テレビ東京のみというのが、何とも哀しさを倍加させているんですが…。
テレ朝の世界水泳、TBSの世界陸上、そしてフジの世界柔道には、もう辟易させられたけど、テレ東だけというのも、どこか寂しいものです。
コマーシャリズムに乗り切れないところが、ラグビーらしいといえば、そうなんでしょうが…。

ま、どっちみち、今時のおぼっちゃま達が、「土」の上で痛い思いをする、ましてや将来大金を稼ぐこともできないスポーツに、身を投じるハズがないですもんね。
そもそも、親がやらせないでしょうし。
高校のラグビー部も、どんどん廃部に追い込まれているみたいだし、一つのスポーツが終焉を迎える時なのでしょうか、やはり。
ラグビーマニアとして、今年のシーズンは、厳しい季節になりそうです。

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この前のプロジェクトXで取り上げられていた「カップヌードル」。
いくつか面白いと思ったことがありました。

今、CMで「200億食」とやっているカップヌードルも、当初は「こんなの売れない」と思われていたそうです。
売り込み先として持ち込んだ商社の人には、「日本には丼があるから、こんなものいらない」と言われた。
日清の社員も、「好んで買う人はいない」と考えていた。

番組では、「赤いエビ」にこだわった末の勝利という感じでまとめていましたが、私はそれよりも、「ロシアの人も食べている」という点に興味を惹かれました。

商品として、蓋を開けた時に、「黄色い卵、緑のネギ」とともに、「赤いエビ」があるのは、色合い的にも重要でしょう。
でも、そんなことより「厳寒地の人に、極めてありがたい食事」であることの方が、「売れるきっかけ」としては重要だったのではないでしょうか。
ここでいう厳寒地とは、もちろんロシアのことではなく、「あさま山荘」のことなんですけど。

日経「私の履歴書」で、日清食品の安藤さんが、書いていました。
「あさま山荘事件で、ボランティアの主婦が機動隊員に、おにぎりを差し入れしたが、すべて凍ってしまった」
「カップヌードルは、凍ることはなかったので、隊員にありがたがられた」
「その映像が、全国に流れたことで、カップヌードルの認知が高まった」
だいたい、こんな内容だったと思います。

大ヒットする商品は、どこかに必ず実用性があるのでしょう。
既存商品にはない、画期的な実用性が。

思えば、携帯電話も、そうでした。
携帯電話が、「ラクに携帯できるような大きさになって」も、まだ通話料が高かったので、普及はさほどしていなかった。
そんな頃、いち早く使っていた人たちは、私の印象としては、「工事現場」の人たちです。

ちょっとしたビルやマンションの現場では、現場にいない監督か設計者の指示を仰いでいるのか、よく携帯でやり取りしている場面を見かけました。
これなど、既存の固定電話では、事実上無理なこと。
でも、携帯があれば、現場の状況を話ながら、何をどうすればいいのか、指示をもらえる。

携帯が普及しはじめた当初は、電車内でバカ話をする若者の悪イメージもありました。
その一方で、「現場」では貴重な通信手段になるという「実用性」があったからこそ、ここまで普及したのではないでしょうか。
若者のバカ話専用電話だったら、一過性のブームで終わったことも考えられます。

ラーメンだろうと、IT商品だろうと、実用性がある商品は強い。
そんなことを改めて認識したプロジェクトXでした。

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ラーメンは、ラーメンでも、日曜日のフジEZTVでは、390円ラーメンの「幸楽苑」と、180円ラーメンの「ラーメン一番」を取り上げていました。
ともに、福島、大阪から、東京進出を目指してというテーマで。
どちらのラーメンも、まだ食べたことがないので、一度行ってみようかと思っています。

両社のどちらかが、ラーメン界のマクドナルドになるかどうかは、まだ微妙な気もしますが、このデフレで、「価格」に対する消費者の反応が、以前と変わったのではないかと思いました。

10年くらい前だったら、「180円のラーメン」と聞いて、「おいしい」と考える人はいなかったと思います。
昔は、「安いなりの味」という評価がありました。
「安いなり」というのは、つまり「どこかに手を抜いている」ということ。
ダシに人工物を使っていたりとか、麺を安っぽいもので作っているとか。

でも、マクドナルドの80円バーガーを端緒として、吉野家の280円牛丼、はなまるうどんの100円うどんなど、本当にさまざまな「価格破壊メニュー」が増えてきました。
思えば、ドトールの180円コーヒーも、価格破壊の先駆者だったのかも。

ハンバーガーや牛丼は、自社で価格を変更しただけですが、うどん(さぬきうどん)やコーヒーは、元は500円とか、600円が普通でした。
それが、「企業努力」をすれば、「ここまで安く提供できる」ということを証明してくれた。
最高級のコーヒーや、手打ちうどんには、かなわないのかも知れないけれど、大半の人が「おいしい」と評価できるメニューを、安く提供することに成功した。
こうなると、1杯500円もするうどんは、誰も評価してくれない。
消費者の考える「適正価格」が、下がったためです。
適正価格は、「納得価格」とも言い換えられるかも知れません。

あらゆるものの値段が下がって、消費者は以前よりも価格に敏感になった。
これは事実でしょう。
でも、それは単に安いモノに群がるという行動だけではなく、今まで通りの価格設定をする企業・業態に疑問の目を向ける人が増えてきたことも表しているはずです。
「儲けのカラクリ」という本が売れたのも、「価格の理由」を知りたい人が増えたためでしょう。
「どうして、そんな価格になっているの?」ということを知りたくなっちゃったんです、みんな。

例えば、回転寿司と高級寿司屋の仕入れルートは、どこが違うのか(同じなのか)見ようとする。
冷静に考えれば、一括で大量仕入れをする方が、おいしいものを安く仕入れることができることが分かる。
「築地の市場に近いから、ネタが新鮮」なんて、安直に考える人はもういないはず。

今、最も鮮度が高い魚を仕入れているのは、産地から直接仕入れる総合スーパーあたりでしょうか。
じゃあ、ちょっとつまんだだけで、5千円も6千円も取る寿司屋で我々は、一体何を食べているのか?
案外我々は、寿司屋の大将が、高級外車を買うために、ご飯の上に魚が乗っかった食べ物を食べているのかも知れません。

デフレが当たり前の時代になった今、価格設定をブラックボックスすることは許されなくなりました。
「なぜその価格なのか?」ということを、消費者にプレゼンテーションする必要が、これからますます求められてくるでしょう。