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No.138

ゴールデンウィークに思ふ
2003.4.29
by Y.Tomizawa

今年のゴールデンウィークは、見事なまでに飛び石続きで、最後の3日間が最も長い「連休」。
こんなに間の悪いゴールデンウィークは、今までありましたっけ?

マスコミでは海外渡航者数が、イラク関連とSARS騒動で、例年より3割減だと報じているけれど、本当なんですかね。
これまで報じられてきた成田空港の映像を見ると、「7割減の間違いなんじゃないの?」と思うくらいの閑散ぶり。
「こんなに空いているのなら、自分も行ってもいいかな…」なんて思うくらい。
「普段」と「例年のGW」と「今年」を比較してくれないと、正確には判断できないです。

だいたい、本当に「テロ不安」や「SARS]だけで3割減なのかも疑問です。
マスコミは、他の要素にもきちんと言及しないといかんですよね。
Q.あなたはGW期間中に、海外旅行に行ったことがありますか。
02年/01年/00年/99年/98年/97年以前/GWには一度も行ったことはない/海外旅行には一度も行ったことがない

Q.今年のGWに、海外旅行に行く予定はありますか。
予定がある/予定はない

Q.海外旅行に行かない理由を次の中からお選びください。
イラク戦争/SARS/日程が悪い/お金が足りない/行きたいところがない/一緒に行く友達がいない/…
まあこんな感じの調査をちゃんとして、その結果を元に報道して欲しいところです。
やれ「戦争によるテロに対する不安」だの、やれ「SARSを恐れている(そりゃ恐れるけど…)」だの、国民の不安を安易に助長するのは止めていただきたいですね。
見る方も、マスコミなんてそういうものだと、冷静な視点で見なくてはいけないんですけど。



六本木ヒルズの来場者が、開業4日間で100万人を突破。

いくら著名シェフが自ら厨房に立っているとはいえ、夕方に2時間も待って、ゴハンを食べるなんて…。
嗚呼素晴らしき哉、日本人の根性。
バブルです…。

1粒800円のトリュフチョコレートを求めて、1時間も並ぶ根性。
バブルです…。

1番安い部屋でも、1泊4万6千円もするホテル。
すべての部屋に、フラットテレビとDVDプレーヤーがあるらしい。
それだけではなくて、電話回線も2本(!)、高速インターネット接続、ボイスメールも使えるとのこと。
遊べというの? それとも仕事しろというの? どっち?
どっちにしても、バブルです…。

今年のGWの日程が日程なだけに、東京近郊のアミューズメントとして六本木ヒルズは格好の狙い目とのこと。
毎年「GW期間中の来場者数」が全国トップを記録する「博多どんたく」を、軽く上回りそうなのだから、そのにぎわいたるや推して知るべし。
だって「祭」より凄いんだから。
「祭」より凄いのは、「バブル」しかないね。



その六本木ヒルズは、テレビCMもやっています。
最近有名なアーティスト、村上隆のアニメ(?)を使って。
お金がかかっていますね。

まあそれはいいんだけど、気になったのが「アーテリジェントシティ」という造語。
「urban」と「intelligent」を掛け合わせているんだろうけど、こういうのってどうなんでしょう。
どこまでマジメに、この言葉を定着させようとしてるんでしょうね。
意図は分かるんだけど、語呂が今ひとつと思います。

早稲田大学は、奥島前総長時代に「グローカル構想」(global+local)といっていました。
地球規模の視点と、身近な視点と、両方併せ持った大学を目指すのだということ。

作り手が強引に考えたようなネーミングは、なかなか定着しないものです。
その名前を聞いて、「えっ?」と思ったら、たぶんダメ。
聞いた瞬間に、「おーっ!」って感じがして、すーっと入ってこないと、流行らないんじゃないでしょうか。

難しいですね。
堺屋太一あたりは、この辺が上手かったんでしょう。
「団塊の世代」とか。

だいたい六本木ヒルズは、「アーテリジェントシティ」とCMではいいながら、ホームページでは「アイデアが生まれる街」といっている。
ホームページを、ざっと見た限りでは、「アーテリジェント」の言葉は見つからない。
一貫性がないですね。

この程度のコンセプトの散漫さは、たいして問題にはならないのでしょうけど、「金のムダ」であることだけは確かです。
もったいない。
1泊4万6千円って感じです。



キリンビバレッジの「午後の紅茶」のCMに、松浦亜弥を起用。
KYON2が輝きを失った今、オジサン達を納得させるアイドルは、あややくらいしかいないのだから、これも当然のことか。

でも、このCM、オジサン達からすると、気になりませんか?
40歳前後から上の人が見れば、たぶんみんな、「ん?」って思いますよね。
あれ、かつての「サントリーホワイト」での「サミー・デービス・ジュニア」の名作CMのパクリにしか見えません。

展開もほぼ完璧に同じだし、最後に「ウッ!」と唸るところも同じ。
これをパクリといわずして、何をパクリというのでしょう、というくらいのパクリ具合。

サミー・デービスのCMは、あれは昭和40年代ですかね。
当時、大物中の大物だった、サミー・デービス・ジュニアを、日本のウイスキーのCMに出演させたことだけでも話題だったようです。
(もちろん私は子供だったので、後から知ったのですが)

しかも「Black」系の人に、「White」という名の商品ですから、その微妙な意図もあって話題を呼び、そのテンポの良さ、センスの良さもあいまって、名作とまで呼ばれるようになった。
ウイスキーのCMなのに、子供までマネをするようなCMでしたからね。

キリンビバは、どうしてこんなプライドのないCMを作っちゃったんだろ。
あややとしては、キャリアを積む上で、ポイントとなるような作品なんでしょうけど、メーカーとしてはどうか。
「口どけ生茶」の「蹴り」といい、栄華を誇ってきたキリンビバが、ちょっと不安です。



CMの話といえば、韓国映画「ボイス」のCMが、あまりの怖さに差し替えになりました。
実は、私も見ていて、結構怖かったです…。(-_-;)
深夜の時間帯に、突然あのCMが流れると、チャンネルを変えていましたから。
気味が悪かったですよね。

子役の演技が上手いのは分かるけど、それをどうしてCMで放映しなければいけないのかが分からない。
「話題作り」もいいけど、最近はこの辺の「一線」を安易に超えてしまうCMが多いような気がします。

CMは、テレビを見ている以上、万人に無条件に垂れ流される。
そのCMを「意図して見る」などということはできません。
そんな当たり前のことも分からないで、ああいうCMを制作したんでしょうか。

人がワクワクするのか、不快に思うのか、そのポイントがギリギリのところにあるのは分かります。
その絶妙なポイントを突くのが、クリエイターの手腕です。

すべり台の上からすべってきて、無防備な人に後ろから蹴りを入れることが、どれだけ危険なことなのか、冷静に考えれば、すぐに分かる。
白目をむいた子供や、幽霊と思われる姿が見えるCMを見て、薄気味悪いと思う人が「いないはずがない」ことくらい、すぐ分かる。

ろくすっぽ物事を考えないクリエイターが多くなってきたんでしょう。
自分本位が過ぎるという感じなのかな。
受けての気持ちが見えていないんでしょうね。

でも、いずれ、後ろから蹴りを入れたり、子供が白目をむくことにも慣れてしまうのでしょう。
そうやって、人間の常識はどんどん変わっていくはず。

30年前の常識と、今の常識が、同じであるはずがない。
常識は変化していくものでしょう。
進化するのはいいけれど、馬鹿になるのは、ちょっとヤダな…。
これ以上、節操のない馬鹿な国になるのは、ゴメンです。