No.135
CMの良し悪し
2003.4.8
戦争もあんな感じで、少しは楽しげな話題にしたいですね。
ということで、この写真をご覧下さい。
事務所の近所の回転寿司なんですけど、物凄い行列。
この店は、特別においしいわけでもなく、まあ普通の店。
昼時には、たまに並んでいることはありますが、それでも多くて4〜5人程度。
この店は、強いて言えば、午後2時から、「大トロ」が1皿120円になることが魅力といえば魅力。
でも、冷静に考えれば、2時すぎに寿司を食うというのも、なかなか寂しいもので、あんまり利用していませんでした。
それが突然の行列。
どうしてなんでしょう?
ともったいぶって言うほどではありませんが、理由はコレみたいです。
「全品1皿60円」。
やっぱり60円という価格なんでしょうな。(^-^;)
1皿60円なら、10皿食べても600円。
消費税を入れても630円。
こりゃたしかに凄いな。
これが仮に「1皿100円」だったら、あんまり魅力ではなさそう。
でも「80円」だったら?
この辺の価格設定によって、どれだけ売上が変わるのか、研究したいところなんですけどね。
吉野家の280円は、かなり研究したみたいですけど、回転寿司ではどうなんだろう。
のべつまくなし100円というのも、節操がなく思えるんですけどね。
その吉野家でも250円セールをやっていて。
私も日頃あれだけ利用しているのに、いつもこのセールの時期は利用しないんですね。
そもそも混んでいて、たかが吉野家で「待たされる」ということが許せないので。
いつもきちんと定価で食べてあげる、吉野家にとっての優良顧客なのでした。
1.ヤッてしまったCM
この春、清涼飲料のCMで、いくつか気になるものがあります。
まずはタイトルの通り、「あ〜、やっちゃったな…」という感じのCM。
最も気になったのが、コレ。
大塚製薬ポカリスエットのCMです。
皆さんは、気になりませんか?
白い壁らしきものを、ポカリスエットのカラーである、やや濃い目のブルーで染めていく感じ。
「白と青」という「ポカリカラー」が印象に残るCMです。
でも、塗りたくっているこの「青」は、どう見ても「ペンキ」ですよね。
「ポカリスエットの中身はペンキなの?」と思ってしまいます。
いや、ポカリの中身とペンキが直線的に結びつく訳ではありませんが、ペンキで塗りたくっている行動と、「清涼飲料」がどうしても結びつかないんです。
だから、間接的に「毒々しげな飲み物」という印象になってしまう気がします。
ポカリのCMは、名作にもなぞらえられるCMが少なくない。
それだけでなく、アイドルタレントが有名になるための登龍門の役割も果たしてきました。
かつての森高千里しかり、ついこの前までの鈴木杏しかり。
だのに、どうしてこんなCMにしてしまったのが、甚だ疑問です。
誰がOKを出したのでしょう。
代理店に押し切られたのか、それとも大塚の宣伝担当が「上」を押し切ったのか。
どちらにしても、社内で反対意見はなかったのでしょうか。
もし「何もなかった」のなら、大塚の了見をちょっと疑いますね。
アクエリアスが、MLBのランディ・ジョンソン、NBAのコービー・ブライアント、今は、福岡ダイエーホークスの城島捕手など、スポーツ界の有名選手を、これでもかと使ってきているところに、このCMはちょっとマズいように思えるんですけど…。
すぐに売上に影響するとは思えませんが、このパターンをずっと続けてしまうと、ジワジワ影響してくると思います。
大塚のポカリの是非は、これから分かることですが、明らかにマズかったのが「キリン生茶」。
新製品の「口どけ生茶」のCMです。
松嶋菜々子の起用は変わらずですが、キリンビバのサイトによれば、「これまでの生茶とはひと味違うトーンのCM」とのこと。
でも、純朴そうな少年に、「いきなり後ろからケリ」は、いかにもマズかったのでしょう。
しかも、すべり台をすべってきて、勢いをつけてのものだから、PTA的には「マネをして事故が起きたらどうするんだ!」というところ。
おそらく、そういうクレームが来たのでしょう。
今流れているバージョンでは、いつの間にか、「ケリ」はカットされました。
でも、元々「ケリ」がアクセントとなるクリエイティブだから、かえって不自然なCMになった感じ。
これは明らかにキリンビバの失態。
それでなくとも、「マネをしないでください」というテロップが、しつこいくらいに、あちこちのCMや番組に流れているというのに、なぜこんな「暴力的」なものを許可してしまったのでしょう?
クリエイターのネームバリューに負けたのかな…?
せっかくあのパンダのぬいぐるみは可愛いのに…。
もったいないことをしました。
売上に影響がないといいですね。
2.気になってしょうがないCM
気になってしょうがないCMとしては、キリンビバの缶コーヒー「ファイア」のCMです。
木村拓哉を、ここのところ、ずっと使ってきていますが、これまでのトーンとは少し変えて、元気が出そうな音楽とともに、ビジネスマン風のシーンが続きます。
雨のシーン。
風のシーン。
雪のシーン。
ビジネスマンは、「雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、雪ニモ負ケズ」ということなのでしょう。
でも、これらの画像を見て、気付きませんか?
「後ろのクルマ」です。
すべて「ミニ」です。
「ミニクーパー」の名で知られるイギリスの名車です。
今はBMW傘下に入り、30数年ぶりにモデルチェンジをし、その新モデルもまた売れているようです。
ここで使われているのは「旧タイプ」です。
でも、どうして「ミニ」だったのでしょうか?
まあ、キリンビバのCMですから、トヨタやホンダのクルマを使うわけにいかないことは分かります。
でも、キリンといえば、「スリーダイヤ」の三菱グループの代表。
だったら、どうして「パジェロ」でも使ってあげなかったのかな…と思ったんですね、私は。
単純にいえば、「CMのコンセプトに合わなかった」、それだけでしょう。
でも、三菱自動車も、色々ありながらも、コンパクトカーとして「コルト」を復活させて頑張っている。
同じコンパクトカーに分類してもよい「ミニ」を使うのなら、なぜ「コルト」を「使ってあげなかった」のか?
別に、企業グループが同じだから、CMにもグループ企業の製品を使うというケースは、かならずしも多くないと思うんです。
でも、今の三菱自動車にとっては、コルトは売りたいクルマでしょう。
キリンビバの人たちも、その辺は「配慮」してあげてもよかったのでは…、などと老婆心ながら思いました。(^-^;)
三菱自動車にもプライドがあるだろうから、「無理に使って欲しい」とは思わないでしょう。
だいたい三菱側も、「キリンビバが使いたくなるようなクルマ」を作っていればよかったんですけどね。
いずれにしても、「企業グループ」などという枠組みも、ますます薄まっていくんだろうと考えてしまいます。
もう一つ気になったCMを。
それは、日経の購読キャンペーンのCMです。
タレントの細川茂樹を起用して、「女性は変わった」「で、男はどうなんだ?」ということをコンセプトにしています。
細川茂樹は、若手の「ダメビジネスマン」を演じさせられている。
いくつかパターンがありますが、ここで取り上げたパターンは、細川茂樹が駅のベンチらしきところで、日経を読んでいるけど、難しいのか、つい眠くなってしまうというもの。
ありがちなコンセプトですね。
所詮は購読推進キャンペーンだから、コンセプトは「ありがち」でもいいんだろうけど、気になったのは「細川茂樹が読んでいる面」です。
写真にあるように、彼は「最終面」を読んでいます。
日経をお読みの方ならお分かりの通り、最終面は「文化面」です。
こんなところを、(おそらく)朝から熱心に読もうとする人は、そんなにいませんって。(^-^;)
まさか、「どこを読めばいいのかすらも分からないビジネスマン」を演じているのでしょうか。
日経は、若い男性ビジネスマンを、そこまでアホ扱いしているのでしょうか。
最近の学生は、アタマでっかちといえばそうなんでしょうけど、私のような40歳前後の世代よりも、よっぽど苦労して会社に入っているはず。
だから、この辺の「お勉強」は、むしろきっちりしているのではないでしょうか。
どうせなら、ガバっと新聞を開いて、株式面あたりを読んで欲しかったんですけどね。
この辺に「作り手のこだわりの薄さ」が垣間見えてしまったのでした。
でも、この写真を、よ〜く見ると、どうやら読んでいるのは「私の履歴書」か?
まさか「私の履歴書」を、もっと読んでねということか?(^-^;)
それはそれで、人の潜在意識に働きかける恐るべき戦略だけど、まあ、この程度のクリエイティブの人なら、そこまで深くは考えていないでしょうな〜。
3.個人的に気に入ったCM
この春、CMが変わって、私が最も気に入っているのが「三ツ矢サイダー」です。

イチローのCMで復活し、最近では、今をときめく松浦亜弥や、今はセノビーに浮気してしまった水谷妃里と、女性アイドルタレントを起用してきたのが、いきなり若い男で、しかもノンタレ。
コカコーラがジャニーズの軍門に下ってしまった今、かつての「コカコーラっぽさ」を出してくれて、オジサン世代には結構ウケがいいのではないでしょうか。
何となく、「久しぶりにサイダーを飲んでもいいかな…」と思わせるCMです。
続けて飲むかどうかは、全く分かりませんが。
三ツ矢サイダーのCMで記憶にあるのは、私が小学生の頃だから、70年代中盤でしょうか。
ビートルズの「She Loves You」が使われていたんですね。
ぼんやりした記憶をたどっても、畑の真ん中の一本道を、車が走っていくことしか覚えていないんですけど、CMの最後に「She Loves You」の「Yeah yeah yeah yeah」が印象的に使われていました。
当時、ビートルズを好きになりはじめた頃で、しかもカッチョいい曲で、大好きだった「She Loves You」ですから、「うーん、サイダー飲みたいっ!」という感じになっていました。
(実際には、小学生だから、そんなにしょっちゅう飲めるわけでもなかったんですが)
あれから三ツ矢サイダーも、かな〜り紆余曲折があって、イチローで復活したと思ったら、アイドルを起用したら、あんまり伸びなくて。
もっとも、それにはお茶系飲料の伸びに、炭酸飲料が勝てないということもあるでしょう。
自分としては、こういうタイプのCMが好きなんですよね。
ちょっと「青臭い」けど、何か「昔の青春」みたいな。
「渋谷のボクちゃんたちには、分からないだろうな〜」みたいな感じなのがね。
昔のコカコーラのCMなんでしょうね、自分のCM感の基礎になっているのが。
「I Feel Coke」「Yes, Coke yes」。
もっと遡れば、それこそ「スカッと爽やかコカコーラ」
コカコーラには、いいCMが多かったです。
そう、私は素直に「格好いいな〜」と思えるCMが好きなんです。
そして、この春、自分の中で、三ツ矢サイダーを上回るCMというのが、コチラです。
「コロナエクストラ」のCMです。
もちろん日本では流れていません。
どうして入手したのか?
メジャーリーグのネットTVからなんですね、これが。
前に「日記」の方にも書いたんですけど、今年からアメリカメジャーリーグの試合が、ネットを通じてライブで見ることができます。
(何かよく分からない事情でライブでは、まだ見たことはありませんが…)
最初はもちろん「メジャーの野球」を見たいから。
だから、3月にやっていた「無料プレビュー」に、すぐ飛びつきました。
これが面白いことに、アメリカで放映しているTVの映像を、(おそらく)そのまま流しているんですね。
ということは、このようにアメリカにいる人が見ているCMも、日本にいながらにして見ることができる。
これ、画期的なことじゃないですか?
今まで外国のCMを見ることができたのは、日本のテレビが時たまやる「カンヌ国際広告祭」で取り上げられたものくらい。
だから、「優秀な外国のCM」は見たことがあります。
でも、「フツーのアメリカのCM」は、なかなか見ることはできないでしょう?
ハワイか、グアムあたりまで行かないと見ることはできない。
まあ金持ちなら、見ることができるのか。
でも、ハワイまで行って、CMを注視することはしないだろうし、あんまりしたくもないですよね。
それが、日本で「優秀とは思えないCM」まで、自宅でも、事務所でも見ることができるのですから…。
「芝刈り機」のCMなんて、日本では絶対にありえないですしねぇ。
面白いですよ、ホントに。
個人的には、MLBのネットTVは、マーケティングに携わる人なら、一度は見ておくべきものと思っています。
できれば、日常的に見てもいいと思いますね。
で、この「コロナ」のCM。
最初の映像を見ると、強い日射しの元で、豪華な食事があって、その手前にコロナが、たっぷりの氷とともに入っている。
シズル感たっぷりです。
その映像が、段々「引き」になるにつれて、実はそこはこんな感じだったんです。
きれいな海の真ん中に、ちょこんと出ただけの感じの砂浜で、食事をしていたんですね。
最後に出るテロップが
「Miles away, from ordinary」
憎いですねぇ〜、ホントに(スミマセン、この画像の後に出てきます)。
訳すとしたら、「日常からの脱却」かな?
でも、日本語にしちゃうとダサいですねぇ…。(^-^;)
こんなCMを見せつけられたら、コロナを飲みたいだけではなくって、仕事を忘れて、どこかのビーチにでも行きたくなっちゃいます。
それも、できるだけ長期間。(^-^;)
三ツ矢サイダーの世界は、私には今さら戻ることのできない世界ですが、コロナは、行こうと思えば行くことができる。
商品のターゲットとは、こういうことなのでしょうか。
三ツ矢サイダーのCMを、いくら私が「いいな〜」と思っても、所詮ターゲットではない。
でもコロナは、もろにターゲット。
いいCMとは、その商品を使ってみたくなるだけでは足りなくて、CMが表現する「世界観」に納得し、しかも行動まで起こしたくなる、というものなのかも知れません。