十七日目: ダイナブックの運命


東芝のダイナブックは、どうしたらよいのでしょう。最近のノートPCといえば、ソニーのVAIO、次いで、レッツノートでしょうか(実際の売れ筋はどうなのかな)。
「ダイナブック」という偉大なる名前を頂戴しておきながら、その噂を最近とんと聞きません。薄くなってるなー、とか、軽そうだなーという印象はありますが。
海外ではノートPCのトップブランドらしいですが、日本では、全く印象が薄いです。どうしたら売れるのでしょうか。ここは、東芝のPC事業の「短期的な戦略」を中心に考えてください。もちろん、リブレットのことも合わせて、お考えください。短期的とは、ここでは、1〜2年で即効性のある戦略としておきましょう。

確かに、ダイナブックと言えば、ノートパソコンではひとつのブランドだったのに、最近聞きません。変化のスピードが激しいパソコンの世界のブランドなんて、所詮そんなものでしょう。
それよりも、ソニーとかシャープのように、何かやってくれそうな「メーカーとしてのブランド」イメージの方が、効果的な気がします。

即効性のある戦略として2通りあると思います。
個人ユーザー向けか、ビジネスユーザー向けか、で分かれるでしょう。

個人ユーザー向けとしてなら、VAIОと同じ路線で、絵と音楽でしょう。ソニーの二番煎じになりますが、デジカメが付いていて、MDとの接続ができて、それぞれの機能や性能が、ソニーよりチョットずつ優れていれば絶対に売れます。

個人ユーザー向けのパソコンは所詮機能とスペックの世界です。今までデジカメがノートパソコンについているというありそうで無かったモノ、をソニーが作ったので、興味本位で売れましたが、同じような製品でスペックが高ければ、すぐにそちらに向くでしょう(同価格以下が条件ですが)。

また、最近MDの普及で、MDの曲名やタイトル編集が手軽にできるPCは、受けるのではないでしょうか(これはオーディオの生産を実質止めてしまった東芝にはムリか。MD自体が無い)。

しかし、そんな子供だましで売るのでは「ダイナブック」の沽券にかかわります。
やはりターゲットはビジネスユーザーでしょう。

ビジネスユーザーがノートパソコンに何を期待しているか。それはリモート接続の確実さと、拡張性ではないでしょうか。
ビジネスマンがノートPCを持つからには、必ずリモート接続を行うでしょう。ところが、今まではその接続がイマイチでした。大量データを送付中に通信が切れる、遅い、などです。

そこで、CdmaOneです。IDO、セルラーグループと組むのです。ダイナブックを買うとIDOの携帯がタダで付いてくるようにするのです。この際、加入料まで面倒をみてしまいましょう。
ダイナブックはデータ送信が途切れない。これです。
もちろん携帯電話としても使えますから、CdmaOneの話題性も手伝って、効果は絶大でしょう。

携帯電話のアドレス編集機能や、着メロ編集ソフトを付けておけば、なおGOODです。

もうひとつは、電子手帳類との接続です。
やはり立ち上がりの遅いパソコンでは、手帳のように使うイメージはありません。電子手帳は、別に持ち歩く人が多いでしょう。

これについても、今までは、PCとの接続性が悪く、自分の手帳の情報を、すんなりPCに移行できるモノは、あまりありませんでした。本来なら、ザウルスとの接続性を確保すれば、売れるのでしょうが、シャープにメビウスがある限り、難しいでしょう。

であれば、東芝がザウルスを作ればいいのです。なんだかんだいっても、現在の資産を、ザウルスで持っている人は多いでしょう。なので、ターゲットはザウルスユーザーです。ザウルスのデータを、簡単に移行できるソフトなり、インターフェイスを持った東芝版を開発します。もちろん、同価格以下で機能はザウルス以上。これが条件です。

この2つ、PCと手帳の接続性の高さは、ビジネスマンにとっては、大きなウリになるはずです。

私が、ダイナブックを「偉大なブランド」と書いたのは、アラン・ケイが提唱した「ダイナブック」と、少なくとも同じ名前をつけて販売しているのだから、という意味です。商標などの関係がどうなっているのかわかりませんが。アメリカで、この名前のブランドで売っているのでしょうか。仮にそうだとしたら、アメリカの人々はどのように思っているのでしょうか。

今回は、反論から。

VAIОの機能から、ちょっとずつ優れているだけで、絶対に売れるでしょうか。また、VAIОは、機能はすぐれているから、売れているのでしょうか。私は、そうは思いません。
文章の後半で、東芝にMDがないから…というくだりがありますが、私は、VAIОが売れた(逆説的な)理由は、まさにここにあると思います。MDも売れていたから、VAIОは売れた…と。

最新の「日経モバイル」に、「ソニー&パナソニックが描くモバイルの世界」という特集があります(中味もなかなか優秀)。
このように、おそらくノートPCの二大ブランドは、「VAIО」と「レッツノート」でしょう。悲しいかな、「ラヴィ」も、「ビブロ」も、「パワーブック」も、あまり噂を聞きません。ましてや「ダイナブック」も。
一般的な印象としては、ソニーに松下が追随するということなのでしょうが、松下も「世界最小・最軽量」への意気込みは、携帯電話や、MD、デジタルビデオを見ても、半端なものではないことがわかります。今や、日本の電機メーカーは、事実上、この二社にしか覇権を争う資格が与えられていないのではないでしょうか。

私は、VAIОが売れた理由は、ソニーが「大学生の企業イメージ調査」でも、常にランキング上位に顔を出すことと、無縁ではないと思います。
「トランジスタラジオ」から始まり、「ウォークマン」や「ハンディカム」などの画期的な商品を作っているイメージ(実際には壊れやすいイメージというものもありますが)は、絶大なものがあります。自動車会社の「本田技研工業」と並ぶイメージのよさは、他の企業が、一朝一夕には真似のしようがないものです。

だから、仮に、東芝がVAIОを上回るノートPCを発売したとしても、私は、それだけでは売れないと「断言」しましょう。だって、ダサそうだもの。そう思いませんか、何となく。
これなんですよ、最近の売れている商品は。NTTドコモのポケボーはカワイイけど、コミパルはダサい。二番煎じと、消費者に気付かれた時点で、その商品はオシマイだと思いませんか。だから、VAIОの二番煎じは、駄目。

よって、「ザウルス」の二番煎じ(的)も駄目。「ジェニオ」って知ってますか。PHSとザウルスをくっつけたようなシロモノ。見事に、沈没しました(まあ、ピノキオの松下も駄目だったみたいだけど)。すでに出しているんですよ、それらしきものは。だから、今さら、ザウルス路線はないのでは。

と、批判ばかりしてきましたが、私の意見を述べなくてはなりません。

私のアイデアは、「PHS一体型PC」です。CdmaОneの意見と近いですが。私の考えでは、携帯と「つなげる」のではなく、ピッチを「埋め込む」のです。私は、ザウルスとPHSカードで通信しています。これは、やはり便利です。
なぜなら、いちいちケーブルをつなげたりすることもなく、また、「片手にあまるほどの2つの情報機器(携帯とザウルスとか)」を持たされることもないからです。
おそらく、世の大半のモバイラーは、「PHS」というだけで色眼鏡で見るのでしょうが、こと「データ通信」においては、現時点では、ピッチは携帯を凌駕しています。また、アンテナ設置問題も、DDIなら問題はありません(アステルよりも通信範囲は確実に広い)。だから、こいつをPCに埋め込んでしまいましょう。こうすれば、内臓モデムがどうのこうのでもなく、また、巷のモバイラーのような、ダサいことをしなくても、簡単に通信できます。

話を膨らまそうと思えば、膨らませられますが、ここではこの程度にとどめておきましょう。
なぜなら、これだけでダイナブックが安定するとも思えないからです。それは、東芝という会社自体に、「ハイテク機器(死語?)」のイメージがないためでもあります。ですから、画期的な商品を発売できても、他社に追随されたら、すぐにそのイメージは元に戻ってしまうでしょう。
だから、PHS一体型ノートPCを出したらすぐに、次の製品に取り掛からなくてはなりません。

次は、やはり「映像」ですね。
ここは、「VAIО」の真似になるのかも知れませんが、あえて「デジカメ内臓PC」を出しましょう。ただ、自社開発ではありません。「富士写真フィルム」と提携しましょう。
ソニーも松下も、結局、デジタル映像関係の資産がすでにあるだけに、有利に見えます。ただ、両社とも、(なんとなく)ハリウッドを根源とする「動画系」の映像には強そうですが、「静止画像」には弱そうです。そこで、「富士写真フィルム」です。

おそらく、世界最高の「静止画像技術(?)」を持っているのはフジでしょう。そして、今、ノートPCが優れているといっても、それを「動画」で楽しんでいる人がどれだけいるでしょうか。開発した人は、どれだけメモリを食うと思っているのでしょうか。
また、フジも、デジタルへの参入をあらゆる観点から模索しているはずです。フジとしても、「できるだけメモリを食わない、世界最小メモリの静止画像」を開発しなくてはなりません。
ここは、つべこべ言わず、提携しましょう。そして、「最も美しい静止画像を映し出せるPC」を作りましょう。

これで、5年は食べて行けるでしょう。おそらく、動画をパソコンで楽しむことが出来るようになるのに、そのくらいの余裕はあるはずです。そして、5年経ったら…。

この先は、東芝の人に考えてもらいましょう。




確かに、ソニー、パナソニックの企業としてのイメージは、東芝がすぐ追いつくものではないと思います。
今回の話は、パソコンと手帳系を一緒にしてしまったために、ダメな部分とイケル部分とが、混同されてしまいました。

パソコンと手帳類との、最も大きな違いは規格です。手帳類は、各社オリジナルが基本ですが、パソコンの基本規格は同一です。つまり、デジカメなどの付加価値以外は、中身は同じモノなのです。ですので、パソコンの差は、機能と性能の差、そして企業のブランドイメージの差となります。
中身が同じモノであれば、企業ブランドの部分が強いのでしょうが、パソコンの場合、洋服や食品などど違い性能、機能の差は使い心地の差に直結するのです。

ソニー、パナソニックのブランドイメージは偉大ですが、私はパソコンのブランドスイッチは、他の電気製品に比べ、簡単に起こると考えています。
「ビデオはソニーだ」とか「冷蔵庫は日立だ」とかいう話を、パソコンの世界ではあまり聞いたことがありません(ウインかマックかはありますが)。

元々進化するスピードが速い世界で、使う人も、ほとんどがそれを認識しています。東芝でも、日立でも、ソニーやパナソニックより一歩進んだ、ナイスな機能を持った商品を開発すれば、結構簡単に売れるようになると思うのですが。特に、企業向けであれば結構イケそうな気がするんですけど。
問題は東芝や日立が、その開発力を持たないことにあるのではないでしょうか。

 

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